市街化調整区域にある分家住宅を一般住宅にして売買する方法

開発許可関係

「市街化調整区域に建築した分家住宅を売却したい」との相談を受けたことがあります。

分家住宅は許可を得た者を含む限られた者しか適法に住むことができないため、そのまま第三者に売却すると、後々建て替えができない等の問題が生じます。 

そこで、市街化調整区域にある分家住宅を売却する場合は、一般住宅に用途変更してから売却することになります。

今回は、市街化調整区域にある分家住宅を一般住宅にして売却する方法を解説します。

市街化調整区域とは

市街化調整区域とは、市街化を抑制する区域を指します。

 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。

都市計画法第7条第3項 都市計画法 | e-Gov法令検索

したがって、市街化調整区域では原則建築物を建築することができません。

例外的に許可を得ることで、市街化調整区域でも建築することができる建築物の1つに分家住宅があります。

分家住宅とは

分家住宅とは、市街化調整区域に生活の本拠を構えている本家の世帯構成員が新たに必要とする住宅です。

例えば、農家の親が所有している農地にその子供が家を建てる場合等です。

その地域に所縁のある人が家を建てる場合は、市街化のおそれがないため認められています。

※市街化調整区域の農地に分家住宅を建築する場合の手続きについてはこちらも参照して下さい↓

市街化調整区域にある分家住宅を一般住宅にして売却する方法

市街化調整区域にある分家住宅を一般住宅にして売却するためには、都市計画法第42条第1項の許可を得る必要があります。

何人も、開発許可を受けた開発区域内においては、第三十六条第三項の公告があつた後は、当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物又は特定工作物を新築し、又は新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して当該開発許可に係る予定の建築物以外の建築物としてはならない。ただし、都道府県知事が当該開発区域における利便の増進上若しくは開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障がないと認めて許可したとき、又は建築物及び第一種特定工作物で建築基準法第八十八条第二項の政令で指定する工作物に該当するものにあつては、当該開発区域内の土地について用途地域等が定められているときは、この限りでない。

都市計画法第42条第1項 都市計画法 | e-Gov法令検索

※都市計画法第42条の用途変更についてはこちらも参照して下さい↓

用途変更が認められる要件は自治体によって異なります。

例えば、茨城県の場合は、下記のいずれかに該当すると分家住宅の売却を認めてもらえる可能性があります。

第2 次の各号のいずれかに該当すること。

(1)許可を受けた者が当該住宅に相当期間(5年以上)居住し,かつ家庭の事情等により転居せざるを得ないと認められること。

(2)許可を受けた者が当該住宅に居住し,かつ生計維持者の死亡若しくは長期療養を要する疾病等あるいは多額の負債の返済等の経済的事情のため生計の維持が困難である,又は許可後通勤が不可能な勤務地への転勤を余儀なくされる等,相当の事情があること。

(3)生計維持者の破産等による競売によるもの。

(4)当該住宅は平成2年9月30日以前に許可を受けた住宅であり,建築後15年以上経過しており,譲渡を受けた者が現在まで引き続き相当期間(5年以上)居住しているもので,その者が維持管理する上で安全上又は衛生上支障があると認められること。

包括承認基準4:一身専属的許可を受けて建築した住宅の譲渡及び増改築等の取扱いについて/茨城県 (pref.ibaraki.jp)

まとめ

  • 市街化調整区域に建てた分家住宅を売却する場合、一般住宅に変更してから行う必要がある。
  • 分家住宅を一般住宅にするには、都市計画法第42条第1項の許可が必要。
  • 用途変更の要件は自治体によって異なるため、事前に確認することが大切。

茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県で分家住宅の売却を検討されている方は、農地関係専門の弊所にご相談下さい。

農地関係専門の行政書士が親身になってサポートを致します。

この記事を書いた人

特定行政書士 池田大地

専門分野:農地関係

所属行政書士会:茨城会

日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号

※お問い合わせはこちらから↓

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました