「農地にクリニックを設立したいけど、どうしたら良いでしょうか?」とのご相談がままあります。
農地にクリニックを設立することは、農地を農地以外のものにするため、農地転用の許可申請をする必要があります。
さらにクリニック、つまり建築物を目的として農地を転用することは、開発行為に該当します。
したがって、その規模によっては開発許可も必要になります。
それでは、農地転用の許可と開発許可を取得するためには、具体的にどの様な要件を満たす必要があるのでしょうか?
これは、許可取得の見通しを立てるために大変重要なことです。
今回は、農地にクリニックを設立する場合の農地転用と開発許可について解説します。
農地転用の許可要件
農地転用の許可を取得するためには、立地基準と一般基準の両方を満たす必要があります。
農地転用の立地基準
農地転用の立地基準とは、農地のランクのことです。
※農地の立地基準については、こちらを参照して下さい↓
農地にクリニックを設立することができるのは、原則として第2種農地か第3種農地です。
クリニック等の医療施設は、市街地に設置することが困難又は不適当の場合は第1種農地でも例外的に許可対象となる場合があります。
申請に係る農地を市街地に設置することが困難又は不適当なものとして次に掲げる施設の用に供するために行われるものであること。(令第4条第1項第2号ロ及び第 11 条第1項第2号ロ)
(ア)病院、療養所その他の医療事業の用に供する施設でその目的を達成する上で市街地以外の地域に設置する必要があるもの(則第 34 条第1号)
茨城県 農地法関係事務処理の手引き
農地転用の一般基準
農地転用の一般基準とは、転用行為の確実性や周辺農地への影響等です。
※農地転用の一般基準については、こちらを参照して下さい↓
一般基準が原因で計画が頓挫することはあまりないので、どちらかと言えば立地基準の方が許可の見通しを検討する上で重要です。
開発許可の要件
農地転用、つまり開発行為を行う場合は、その規模に応じて開発許可を受ける必要があります。
実務上一番多いのが、市街化調整区域の農地にクリニックを設立する場合です。
市街化調整区域の場合は、規模に関係なく開発許可を受けなければなりません。
そして、都市計画法第34条各号のいずれかの要件を満たす必要があります。
この点、クリニックが該当するのは、都市計画法第34条第1号の「政令で定める公益上必要な建築物」です。
例えば、茨城県の場合は、主に以下の立地要件等を満たす必要があります。
・申請地は、既存集落内又は既存集落に近接(近接とは既存集落から500m以内)する地域内の土地であること。
※既存集落とは、市街化調整区域において自然的社会的条件から一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であっておおむね50以上の建築物が連たんしているもの
・建築物の敷地は、4m以上の道路法による道路(国道、県道、市道等)に面すること。
※茨城県のクリニックを目的にした開発許可要件の詳細についてはこちらを参照して下さい↓
都市計画法第34条第1号許可基準/茨城県 (pref.ibaraki.jp)
クリニックの設立を目的にした農地転用と開発許可のポイント
上記した通り、クリニックの設立を目的にした農地転用と開発許可では、立地が肝になります。
農地転用における農地区分については、管轄する農業委員会事務局に問い合わせましょう。
現地調査が行われるため回答までに2週間程度かかるのが一般的です。
また、開発許可については、グーグルマップ等を用いて既存集落や道路との位置関係を確認した後、管轄する都市計画課へ相談することが大切です。
まとめ
- 農地転用の許可要件:
- 農地転用の立地基準を満たす必要があります。通常、第2種農地か第3種農地に設立できますが、第1種農地でも例外的に許可される場合があります。例外的な場合は、市街地に設置できない理由が必要です。
- 農地転用の一般基準も考慮されますが、一般的には問題ありません。
- 開発許可の要件:
- 市街化調整区域で開発を行う場合、規模にかかわらず開発許可が必要です。クリニックは都市計画法第34条第1号の「政令で定める公益上必要な建築物」に該当します。
- 具体的な要件は地域によって異なりますが、一般的には既存集落内又は近接地域に設立し、特定の道路に面する必要があります。
3.ポイント:
- 農地転用のランクについては、できるだけ第2種農地か第3種農地を選びましょう。もっとも第1種農地の場合でも例外的に許可対象となり得ますので、適当な第2種農地又は第3種農地が見当たらない場合でもあきらめてはいけません。
- 開発許可に関しては、管轄の都市計画課に相談し、具体的な要件を確認しましょう。
- 農地転用と開発許可の申請には時間がかかるため、計画を立てる際に余裕を持つことが重要です。
茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県でクリニックを目的にした農地転用を検討されている方は、弊所にご相談下さい。
農地関係専門の行政書士が親身になってサポートを致します。
この記事を書いた人
特定行政書士 池田大地
専門分野:農地関係
所属行政書士会:茨城会
日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号
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