生産緑地は建築物の建築や土地の形質の変更等が制限されているため、生産緑地地区内の農地に住宅等を建築したくても諦めてしまう方が多いと思われます。
しかし、行為制限の解除ができれば、宅地等に転用することは可能です。
そこで今回は、生産緑地の行為制限解除と農地転用の手続きについて、わかりやすく解説します。
生産緑地とは
生産緑地とは、「生産緑地法第3条第1項の規定により定められた生産緑地地区の区域内の土地又は森林」(生産緑地法第2条第1項第3号)を指します。
具体的には、市街化区域内にある農地等です。
生産緑地での建築物の建築や土地の形質の変更等は制限されており、原則として市町村長の許可を得なければこれらの行為を行うことはできません(生産緑地法第8条)。
行為制限の例外に該当する場合
公共施設等の設置をする場合等は、行為制限の例外として許可を得ることなく生産緑地での建築物の建築や土地の形質の変更等を行うことが可能です(生産緑地法第8条第1項但し書)。
二 公共施設等 公園、緑地その他の政令で定める公共の用に供する施設及び学校、病院その他の公益性が高いと認められる施設で政令で定めるものをいう。
第一条 生産緑地法(以下「法」という。)第二条第二号の政令で定める公共の用に供する施設又は公益性が高いと認められる施設で政令で定めるものは、次に掲げる施設とする。
一 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第六項に規定する都市計画施設
二 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第三条各号(第二十九号及び第二十九号の二を除く。)に掲げる施設
三 土地収用法第三条第二十九号に掲げる公園事業に係る施設
引用:生産緑地法施行令第1条
例えば、特別養護老人ホームは土地収用法第3条の社会福祉法による社会福祉事業に該当することから許可不要です。
行為制限を解除する場合
行為制限の許可が得られず行為制限の例外にも該当しない場合は、生産緑地の行為制限を解除する必要があります。
行為制限を解除する方法としては、市町村長に対する生産緑地を時価で買い取るべき旨の申出があります(生産緑地法第10条)。
市町村長に対して生産緑地を時価で買い取るべき旨を申し出て、3か月以内に所有権移転が行われない場合は、生産緑地の行為制限が解除されます(生産緑地法第14条)。
農地転用の届出を忘れずに
生産緑地地区内の農地を転用する場合は、生産緑地法の手続きとは別に農地法に基づく届出が必要になります。
忘れずに行うようにしましょう。
※農地転用の届出については、こちらの記事を参照してください↓

よくある質問
以下では、生産緑地について、筆者が実務でよく受ける質問とその回答を紹介します。
Q:生産緑地と特定生産緑地の違いは何ですか?
A:生産緑地とは「生産緑地地区の区域内の土地又は森林」(生産緑地法第2条第1項第3号)です。一方、特定生産緑地とは、生産緑地の指定から30年を経過する前に特定生産緑地の指定を受けることで、買取申出が可能となる時期を10年間延長する制度です(生産緑地法第10条の2)。
Q:生産緑地であるか否かの調べ方を教えてください。
A:ネット上に公開されている都市計画図で確認する、対象地を管轄する市町村の担当課に照会する等の方法があります。
Q:生産緑地の一部を行為制限解除することはできますか?
A:可能です。ただし、原則制限解除を希望する部分を分筆した上で、市町村長に対し買取申出をする必要があります。
まとめ
- 生産緑地では、原則として建築物の建築や土地の形質の変更等が制限されています。
- 行為制限を解除するためには、市町村長に対する買取申出が必要です。
- 行為制限が解除されれば、宅地等への転用を進めることができます。
- 生産緑地地区内の農地を転用する場合は、生産緑地法の手続きとは別に、農地法の届出も必要です。
茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県で生産緑地の行為制限解除や農地転用を検討されている方は、行政書士池田法務事務所にご相談ください。
農地関係専門の行政書士が親身になってサポートをいたします。
この記事を書いた人
行政書士池田法務事務所
所長 特定行政書士 池田 大地
専門分野:農地関係
所属:茨城県行政書士会
登録番号:第22110205号(日本行政書士会連合会)
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