田舎の空き家は都市計画法の規制を受けていることが多いにもかかわらず、その規制の存在を知らずに売買しているケースは少なくありません。
例えば、「市街化調整区域にある空き家を購入したところ、実はその家が農家住宅で立て替えや賃貸等をすることができずに困っています。どうすれば良いですか?」とのご相談を受けることがあります。
そこで今回は、市街化調整区域にある空き家の売買について、よくある都市計画法上のトラブルとその予防方法を解説します。
よくある都市計画法上のトラブル①:購入した空き家が農家住宅の場合
非農家の方が市街化調整区域にある空き家を購入したところ、農家住宅として建築されたものであることが後から判明したケースです。
農家住宅は、農家の方が農業をするからこそ許可なしに建築することを許された建物なので、非農家の方が購入した場合は立て替え等をすることができません。
このようなケースでは、売買をする前に都市計画法第43条第1項の許可を得て、一般住宅に用途変更してから売買する必要があります。
※農家住宅を一般住宅に用途変更する際の手続きについてはこちらを参照して下さい↓
よくある都市計画法上のトラブル②:購入した空き家が分家住宅の場合
一般の方が市街化調整区域にある空き家を購入したところ、その家が分家住宅として建てられたものであることが後から判明したケースです。
分家住宅は、その地域に所縁の深い人だからこそ建築することが許可された建物なので、その地域に縁も所縁もない第三者が購入しても、適法に住むことができません。
このようなケースでは、売買をする前に都市計画法第42条第1項の許可を得て、一般住宅に用途変更してから売買する必要があります。
※分家住宅を一般住宅に用途変更する際の手続きについてはこちらを参照して下さい↓
よくある都市計画法上のトラブルを予防する方法
上記したような都市計画法上のトラブルを予防するためには、購入予定者が事前に役所へ都市計画法上の規制がないか問い合わせをすることが重要です。
個人間の売買であればもちろんのこと、不動産業者が仲介している場合も購入予定者が念のため確認しておきましょう。なぜなら、都市計画法上の規制についてよく理解していない不動産業者の方が意外と多いからです。
なお、役所への問い合わせは平日に行う必要があるため、仕事をしている人にとっては苦になります。場合によっては、役所とのやり取りに慣れている行政書士へ依頼するのも良いでしょう。
まとめ
- 市街化調整区域にある空き家の売買には都市計画法の規制が関与する。
- よくあるトラブル:
- ① 購入した空き家が農家住宅の場合:農家の方だから特別に建てられた建物であり、事前に用途変更の手続きをしていないと非農家の方は立て替え等ができない。
- ② 購入した空き家が分家住宅の場合:その地域に所縁のある人だから許可された建物であり、事前に用途変更の手続きをしていないと第三者が購入しても適法に住めない。
- 予防方法:
- 購入予定者は事前に都市計画法上の規制を役所に問い合わせる。
- 不動産業者の情報も確認するが、理解不足の場合があるため自己確認が重要。
- 平日の役所調査が難しい場合は行政書士に依頼すると良い。
茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県で空き家の売却を検討されている方は、農地関係専門の弊所にご相談下さい。
農地関係専門の行政書士が親身になってサポートを致します。
この記事を書いた人
特定行政書士 池田大地
専門分野:農地関係
所属行政書士会:茨城会
日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号
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