法人が農業に参入する方法~農地関係専門の行政書士がお勧めする参入方法2選~

農業法人関係

法人が農業に参入する方法としては、個人的にこの2つがお勧めです。

1.農地所有適格法人(旧農業生産法人)を新しく設立する方法

2.平成21年の改正農地法を利用して農業に参入する方法

以下では、この2つのメリットとデメリットを説明します。

農地所有適格法人(旧農業生産法人)を新しく設立する方法

農業を行う別会社を新たに設立して、それを農地所有適格法人化(※)し、農業への参入を図る方法です。

(※)農地所有適格法人(旧農業生産法人)についてはこちらを参照して下さい↓

この方法は、既存の事業に影響を与えることなく農業を開始することができるメリットがあります。

つまり、農地所有適格法人となるには、「事業要件」(※)というやっかいな要件があり、

新規に法人を設立しない場合、今の事業の売上を半分以下にしなければならず、事業拡大の妨げになります。

(※)「事業要件」とは、主たる事業が農業でなければならないといする定めであり、その具体的な目安として、売上の過半が農業によるものでなければなりません。

一方で、農地所有適格法人という特殊な法人だからと言って、設立の手続きは通常の法人と同じなので、定款認証や設立登記の登録免許税などの諸費用が発生します。

さらに、あくまで別会社であるため、会計処理や社会保険の手続きが煩雑になり事務負担が増加することにもなります。

なお、既存の法人を農地所有適格法人(旧農業生産法人)にする方法(※)もありますが、この方法はお勧めできません。

(※)例えば、現在の事業をやめて農業事業に業種変更する場合や、農地所有適格法人の要件を満たすことができる範囲(売り上げの半分より少なく)まで現在の事業を縮小して農業を行うような場合です。

この方法だと農地所有適格法人の要件を満たすことができるように法人運営をしなければならないからです。

それなら、新しく農地所有適格法人(旧農業生産法人)を設立した方が法人運営がしやすいため、既存の法人を農地所有適格法人(旧農業生産法人)にする方法を選択する方は稀です。

平成21年の改正農地法を利用して農業に参入する方法

平成21年の農地法改正により、農地所有適格法人ではない法人であっても、農地の使用貸借権または賃貸借権の権利設定に限って、認められることになりました。

※平成21年の農地法改正については、こちらも参照して下さい↓

これを利用して、既存の法人のまま農地を借りたり、新しく法人を立ち上げて農地を借りることで、農業に参入する方法です。

この方法なら、前述した農地所有適格法人のやっかいな要件を満たさなくても農地を借りることができます。

したがって、現在の事業を維持しながら、新規の農業事業部門を立ち上げるという感覚で農業を行うことが可能になります。

一方で、農地所有適格法人でない以上は、農地を所有することはできません。

もっとも、農業自体は農地を所有しなくても借り受けることによってすることができますし、初期投資を抑えられるというメリットもあるので、一概に農地を所有できないことがデメリットとは言えません。

まとめ

  • 農地所有適格法人(旧農業生産法人)を新しく設立する方法

メリット:既存の事業に影響を与えることなく農業を開始することができる。

デメリット:定款認証や設立登記の登録免許税などの諸費用が発生する。

  • 平成21年の改正農地法を利用して農業に参入する方法

メリット:現在の事業を維持しながら、新規の農業事業部門を立ち上げるという感覚で農業を行うことが可能

デメリット:農地を所有できない

茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県で農業への参入を検討されている方は、農地関係専門の行政書士にご相談下さい。

専門家が親身になってサポートします。

この記事を書いた人

特定行政書士 池田大地

専門分野:農地関係

所属行政書士会:茨城会

日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号

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