農地転用の注意点:よくある農地転用の落とし穴を農地関係専門の行政書士が解説します。

農地転用関係

多くの農地転用案件に携わる中で、よくある落とし穴を3つご紹介します。

  1. あらかじめ農地の転用をすることはできない
  2. 農地転用の転用面積は必要最小限でないと認められない
  3. 農地転用の許可を受けた後も報告が必要

これから農地転用を検討されている方、又は既に農地転用の手続きを進めている方の参考になれば幸いです。

あらかじめ農地の転用をすることはできない

農地転用の許可申請から許可証の交付までは1か月以上かかります。 

※農地転用の期間についてはこちらを参照して下さい↓

そのため、あらかじめ農地転用の申請をして、許可を受けておきたいと考える人が多いです。

しかし、あらかじめ農地転用の申請をすることはできません。

なぜなら、農地を農地でなく利用する差し迫った事情があるからこそ、農地転用が認められるからです。

では、具体的にどの様な基準で差し迫った事情があるか否かを判断すれば良いのでしょうか?

明確な基準はありませんが、農地転用の許可が下りてから3か月後に中間報告が求められるため、許可から3か月以内に転用のための工事が開始できるか否かがひとつの目安になると思われます。

農地転用の転用面積は必要最小限でないと認められない

農地法は農地を守るためにありますから、農地転用の面積は必要最小限度でなければなりません。

例えば、農地を宅地に転用する場合、将来的に車庫等を作るかもしれないので、転用面積を多めにして申請することは認められません。

また、転用面積はどの部分をどの様に利用するのか明確にする必要があるので、説明のつかない部分は、分筆を求められることが多々あります。

この点、一部転用の申請をすることで分筆をすることなく申請することも可能です。

しかし、一部転用にはデメリットもあるためよく検討してから実施することをお勧めします。

※農地の一部転用についてはこちらを参照して下さい↓

農地転用の許可を受けた後も報告が必要です

農地転用の許可が下りた後、全ての手続きが終わったと思い農業委員会への報告をしないケースが非常に多いです。

農地転用の許可後、工事の完成までに3か月以上かかる場合は、中間報告をする必要があります。

最初は許可後3か月経過した時点で行い、その後は、1年ごとに報告をしなければなりません。

また、工事が完了した場合、完了した日の翌日から2週間以内に完了報告をする必要があります。

よく問題になる例が農地を太陽光発電設備の敷地に転用する場合です。

固定価格買取制度の買取価格が年々下がるため、太陽光設備業者は、処理能力を超えた認定申請を行っています。それに伴い、農地転用の申請も爆増することになりました。

しかし、太陽光発電業者の処理能力を超えているため、農地転用の許可は受けたが、工事に着手できない事例が多発しました。

この様な事態に対して役所は、許可済みの案件で工事の50%が完了していない場合、同一事業者の新たな農地転用の申請は認めない等の対策を講じている場合がありますので、注意が必要です。

※農地転用と太陽光発電についてはこちらも参照して下さい↓

まとめ

  • 農地転用の許可申請は、申請から許可証の交付までに1か月以上かかります。そのため、多くの人があらかじめ申請しておきたいと考えますが、あらかじめの申請はできません。農地を利用する差し迫った事情がある場合にのみ農地転用が許可されるためです。具体的な基準はありませんが、許可後3か月以内に転用のための工事が開始できるかが判断の目安になるとされています。
  • 農地転用の面積は必要最小限でなければならず、利用計画は明確に示す必要があります。
  • 許可を受けた後も報告が必要であり、工事が完了した場合には完了報告を行う必要があります。特に太陽光発電設備の敷地への農地転用の場合は問題が起きやすく、役所では同一事業者の新たな申請に対する対策を講じている場合があります。

農地転用の手続きは専門家にお任せ下さい!!

茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県で農地転用を検討されている方は、農地関係専門の行政書士にご相談下さい。

専門家が親身になってサポート致します。

この記事を書いた人

特定行政書士 池田大地

専門分野:農地関係

所属行政書士会:茨城会

日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号

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