「非農地証明」の「手続き」について詳しく解説します!

農地転用関係

農地を資材置き場や駐車場等に転用したいとの依頼を受けて現地を確認したところ、登記簿上の地目は農地(田、畑)なのに現況が山林や原野に見える事例が多々あります。

この様な場合は、まず非農地証明の取得を検討してみましょう。

なぜなら、現況が農地法上の農地であるか疑わしい場合に農地転用の許可申請(届出)をすると却下(不受理)になる恐れがあるからです。

今回は、非農地証明の手続きについて詳しく解説します。

非農地証明とは

非農地証明とは、登記簿上の地目が農地(田、畑)であっても、その現況が農地以外(宅地や山林等)である場合、一定の条件を満たせば、非農地としての証明を受けることができる行政サービスです。

※非農地証明は、法的根拠を有する手続きではありません。

非農地証明書を地目変更登記の申請書に添付して地目変更登記の申請をすると、登記簿上の地目を農地以外の現況地目に変更する事が出来ます。

対象地が農用地区域内にある場合

対象地が農用地区域内にある場合、非農地証明の対象外としている市町村もあります。

この場合は、事前に農振除外の手続きを行う必要があります。

※農振除外の申請についてはこちらを参照して下さい↓

非農地証明書でいきなり所有権移転等の登記申請はできない

非農地証明書は「登記原因についての第三者の許可を証する情報」(不動産登記令 第7条第1項第5号ハ)にはならないので、事前に地目変更登記を行い、農地法の適用がない状態にした上で所有権移転登記等を行う必要があります。

一筆の農地の一部分のみが非農地の場合

一筆の農地の一部のみに建物等があり、その部分は非農地であるが、その他は農地である場合、その土地全てが非農地である証明を受ける事は出来ません。非農地部分の地目変更をしたい場合は、事前に非農地部分と農地部分を分けて原則分筆登記をする必要があります。

非農地証明の要件

非農地証明は法的根拠を有しない行政サービスなので、要件は市町村によって異なります。

したがって、要件の詳細は各市町村の農業委員会事務局に確認して下さい。

※茨城県内の各市町村が参考にしている「茨城県の農地法関係事務処理の手引き(農地転用関係)」にある非農地証明の範囲は以下のとおりです。

農地調整法改正法施行(昭和21年11月22日)前の、昭和21年11月21日以前から法第2条に定める農地でないもの
天災等の自然災害により非農地になったもので農地に復元が困難なもの
③ 耕作放棄地のうち、農地として利用するには一定水準以上の物理的条件整備が必要な土地(人力又は農業用機械では耕起、整地ができない土地)であって、農業的利用を図るための条件整備(基盤整備事業の実施、企業参入のための条件整備等)が計画されていない土地について、次のいずれかに該当するもの。
ただし、対象地が違反転用に対して是正指導中でないもの又は原状回復命令を受けていないもの(他法令違反の是正指導中でないもの等を含む。)に限る。(違反転用の場合は、農地法第2条第1項の「農地」に該当するか否かの判断を行わないこととなっている。)
ア その土地が森林の様相を呈しているなど農地に復元するための物理的な条件整備が著しく困難な場合
イ ア以外の場合であって、その土地の周囲の状況からみて、その土地を農地として復元しても継続して利用することができないと見込まれる場合
非農地になってから20年以上経過し、かつ違反転用に対して是正指導中でないもの又は原状回復命令を受けてないもの(他法令違反の是正指導中でないもの等を含む)
ただし、耕うん機等の機械を入れることによって耕作が可能となる土地については当然農地であるので証明書の発行は行わない。

非農地証明の手続きで必要となる書類

非農地証明の手続きで必要となる主な書類は以下のとおりです。

  1. 非農地証明の証明願
  2. 非農地となったことが客観的に証明できる公的証明等
  3. 現況写真
  4. 土地の全部事項証明書
  5. 公図の写し
  6. 委任状(代理人が申請する場合)

非農地証明の証明願

通常、対象の土地を管轄する市町村のホームページにひな形が掲載されているので、そこからダウンロードして使用します。

非農地となったことが客観的に証明できる公的証明等

例えば、課税明細書です。

この書類には、登記地目と課税地目が記載されているため、登記地目が農地(田、畑)でも課税地目が農地以外(山林等)なら非農地となったことが客観的に証明できる公的証明等になります。

現況写真

原則として、現地に出向いて撮影した写真を提出する必要があります。

なお、市町村によっては、グーグルマップの航空写真等でも可となる場合があります。

土地の全部事項証明書

法務局まで取りに行くのは大変ですから、ネットで依頼をして郵送で取得するのが良いです。

公図の写し

こちらも土地の全部事項証明書と同じ様に、郵送での対応がお勧めです。

委任状(代理人が申請する場合)

委任状のフォーマットに決まりはありません。

非農地証明書が発行されるまでの期間

非農地証明書が発行されるまでの期間は、市町村によってまちまちなので、一概には言えません。

書類を提出してから1週間程度で発行してくれる市町村もあれば、許可申請と同じく書類の提出から1か月程度かかる市町村もあります。

また、受付についても、随時受付の場合や受付の締切日を設けている場合があります。

事前に対象地を管轄する農業委員会事務局へ問い合わせることが重要です。

非農地証明が取得できる土地なのか迷ったら

非農地証明が取得できる土地なのか迷ったらまずその土地を管轄する農業委員会事務局に相談してみることをお勧めします。

平日は忙しくて時間が取れなければ、行政書士に農業委員会事務局への相談を代理してもらうこともできます。

非農地証明の手続きがない場合

非農地証明は法的根拠を有しない行政サービスなので、非農地証明の手続きを設けていない市町村も存在します。

その様な場合は、「登記官の照会」によって地目変更を試みるのがお勧めです。

やり方は簡単で、非農地証明書を添付せずに地目変更登記の申請を行うだけです。

申請後は、法務局の登記官が農業委員会に現況等を照会して、非農地で問題ない旨の回答があれば地目変更の申請を認めてくれます。

非農地証明と非農地通知の違い

非農地証明に似た概念として非農地通知があります。

これは、農業委員会が農地パトロール(農地法第30条第1項)等を実施した結果、非農地と判断した土地に対して行われる通知です。

非農地証明と非農地通知の違いを表にまとめると以下のとおりです。

非農地証明非農地通知
農地の所有者が非農地であることの証明を農業委員会に求める農業委員会が農地の所有者に非農地であることを通知する

※非農地通知書を紛失した場合、原則として再発行はできません。

※原則、非農地通知書の交付を受けただけでは登記簿上の地目は変わりません。別途地目変更登記の申請が必要です。

まとめ

  • 非農地証明は、登記簿上の地目が農地(田、畑)であっても、現況が農地以外(山林等)である場合に、特定の条件を満たすことで非農地の証明を受けることができる行政サービスです。
  • 非農地証明書を取得すると対象地の地目変更登記が可能となります。
  • 非農地証明の要件、必要書類、非農地証明書が発行されるまでの期間は市町村によって異なるため、事前に問い合わせることが重要です。
  • 非農地証明が取得できるか否かについて迷った場合は、農業委員会事務局や行政書士に相談することをお勧めします。
  • 非農地証明の手続きがない場合は、「登記官の照会」での地目変更を試みましょう。
  • 農業委員会から土地の所有者に非農地通知書が交付されることもあります。

茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県で非農地証明の願出を検討されている方は、行政書士池田法務事務所にご相談下さい。

専門家が親身になってサポートを致します。

この記事を書いた人

特定行政書士 池田大地

専門分野:農地関係

所属行政書士会:茨城会

日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号

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