農地転用の許可申請手続きで必要となる書類~必要書類の取得方法もご紹介します~

農地転用関係

農地転用の許可申請(農地法第4条、農地法第5条)で何よりも大変なのが、必要書類の収集です。

なぜなら、行政に対して、許可要件の充足を書面で証明する必要があるからです。

市街化区域なら届出で済むため必要書類は少ないですが、市街化調整区域では許可が必要となるため多くの書類が必要となります。

そこで、今回は農地転用の許可申請で必要となる書類について、詳しく解説します。

全ての申請に共通する必要書類

許可申請書

申請人、対象農地の所在地、地目、面積、転用目的等、許可申請に必要な事項を記入します。

各自治体のホームページにひな形と記載例が掲載されていますので、それらを参考にしながら作成します。

事業計画書

事業の必要性、土地選定の理由、関係法令の手続き状況等を記載します。

様式が決まっている場合もあれば、任意の様式で良い場合もあります。

管轄の農業委員会事務局に確認しましょう。

土地の全部事項証明書

土地の所在・地目・面積・所有者などを証明する資料です。

ネットで取得することができます。↓

登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと (moj.go.jp)

もっとも、登記は義務ではありませんので、登記簿の情報が必ずしも現在の情報を反映しているわけではない点に注意が必要です。

あまりにも古いものだと登記事項が変わっている可能性もあるので、申請日から3ヶ月以内のものが必要です。

なお、登記情報ではなく、法務局の証明が付いているものが必要です。

公図

土地の境界と地番を示した地図のことです。

ネットで取得することができます。↓

登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと (moj.go.jp)

申請地を朱線で囲い、隣接地の情報を記入した上で提出します。

併用地がある場合はその旨も図示します。

あまりにも古いものだと登記事項が変わっている可能性もあるので、申請日から3ヶ月以内のものが必要です。

位置図

最寄りの駅、役場、インターチェンジその他の公共施設からの位置がわかる( 1/25,000 程度)地図を使用します。

オンラインでの取得が便利です。↓

電子地形図25000(オンライン) | 地図センターネットショッピング (jmc.or.jp)

自治体によっては、位置図の縮尺にこだわる所もあるので、地図の縮尺を選べるこちらも活用して下さい。↓

地理院地図 / GSI Maps|国土地理院

案内図

住宅地図(1/2500)等で申請地周辺の状況を証明するものです。

オンラインでの取得が可能です。↓

ゼンリン住宅地図 B4判 | ZENRIN Store | ゼンリン公式オンラインショップ ゼンリンストア

該当する土地を朱線で囲い提出します。

併用地がある場合は、その旨も記載します。

土地利用計画図

土地をどの様に利用するかを示す図面のことです。

基本的にCADで作成します。

公図に照らし合わせた図面にすると、隣接地との関係が伝わりやすいです。

※土地利用計画図の作成については、こちらを参照して下さい ↓

資力があることを証する書類

銀行の残高証明書や預金通帳の写しのことです。

転用目的のための資金が準備されているか確認するために必要となります。

お金は流動的なので、申請日から3ヶ月以内のものが必要です。

基本的に原本が必要となります。写しの場合は、原本証明が必須です。

見積書

業者の発行する見積書のことで、事業にかかる資金を把握するために必要となります。

古いものだと内容が変更されている可能性があるので、申請日から3ヶ月以内のものが必要です。

また、改ざん防止のために原本を求められることもあるので注意が必要です。

場合によって必要となる書類

土地選定理由書

第3種農地以外は、申請地でなければならない理由、つまり代替性がないことを証明する必要があります。それが、土地選定理由書です。

土地選定理由書には、申請地以外の候補地を数か所記載して、比較検討した経緯を記載します。

自治体によっては、ホームページでひな形と記載例を提供している所もありますが、任意の形式で作成することがほとんどです。

※農地区分についてはこちらを参照して下さい↓

土地改良区の意見書

申請地が土地改良区の受益地内にある場合は、土地改良区の意見をもらう必要があります。

土地改良区の手続きは、時間がかかるので早めの着手をお勧めします。

実務では、土地改良区から異議のでる事例は稀なので、あまり問題になることはありません。

※土地改良区の意見書についてはこちらを参照して下さい↓

履歴事項全部証明書(法人の場合)

法人の登記簿謄本のことです。あまりにも古いものだと登記事項が変わっている可能性もあるので、申請日から3ヶ月以内のものが必要です。

ネットでの取得が便利です。↓

登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと (moj.go.jp)

目的の部分に、転用事業が含まれていない場合は、含める必要があります。なぜなら転用許可を受けた後、遅滞なく、申請に係る農地を申請に係る用途に供することを証明するためです。

なお、登記情報ではなく、法務局の証明が付いているものが必要です。

定款の写し(法人の場合)

申請者が法人の場合は、原本証明をした定款の写しを求められます。

証明日があまりにも古いものだと内容が変更されている可能性があるので、申請日から3ヶ月以内に原本証明されたものが必要です。

履歴事項全部証明書と内容は同じなので、どちらか一方で良いとされる場合もあります。

委任状

本人以外の者が申請する場合に必要となります。

様式は任意ですが、行政書士に代理を依頼する場合は必須です。

ネット上にある委任状のひな形を適宜修正して利用すれば十分です。

住民票

土地所有者の登記簿上の住所と、現在の住所が異なる場合に添付する必要があります。

古いものだと内容が変更されている可能性があるので、申請日から3ヶ月以内のものが必要です。

役所の窓口で取得するか、マイナンバーカードを利用すればコンビニでも取得できる場合があります。

車検証の写し

農地を駐車場に転用する場合、必要となります。

何台駐車するのかを証明するためのものですが、転用面積に対して駐車台数が少ないと、分筆してから必要最低限の転用を求められる場合が多いです。

車検証の写しは、転用事業者に依頼して取得します。

道路・水路の占用許可証の写し

工事のための道路占用や水路占用で許可が必要となる農地転用の場合に必要となります。

例えば、水路の上に鉄板を敷いて重機が農地に進入する場合等です。

占用許可は市町村役場の道路課に申請するので、道路課に必要書類等について問い合わせましょう。

現況写真

現在の農地の状況を映した写真です。

稀に求められますが、東西南北の角度から撮影した写真のデータを、カラーで印刷したもので十分です。

農振除外事前回答書

農用地区域内農地(青地)を転用したい場合、農振除外申出に対して都道府県から交付される回答書が必要になります。

この回答書を添付することで農地転用許可申請が可能となります。

※農振除外については、こちらを参照して下さい↓

まとめ

農地転用の許可申請には、全ての申請に共通する必要書類場合によって必要となる書類があります。

主な書類は以下の通りです。

全ての申請に共通する必要書類

  • 許可申請書
  • 事業計画書
  • 土地の全部事項証明書
  • 公図
  • 位置図
  • 案内図
  • 土地利用計画図
  • 資力があることを証する書類
  • 見積書

場合によって必要となる書類

  • 土地選定理由書
  • 土地改良区の意見書
  • 履歴事項全部証明書(法人の場合)
  • 定款の写し(法人の場合)
  • 委任状
  • 住民票
  • 車検証の写し
  • 道路・水路の占用許可証の写し
  • 現況写真
  • 農振除外事前回答書

おわりに

茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県で農地転用を検討されている方は、弊所にご相談下さい。

農地関係専門の行政書士が親身になってサポート致します。

この記事を書いた人

特定行政書士 池田大地

専門分野:農地関係

所属行政書士会:茨城会

日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号

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