2026年1月1日に施行された改正行政書士法によって、農地転用の実務にどの様な影響が出るのか気になっている方は少なくないと思います。
そこで今回は、行政書士法の改正が農地転用の実務に与える影響について解説します。
特定行政書士の業務範囲
改正前は本人申請で不許可となった場合、特定行政書士が審査請求の手続きを代理することは不可でした。
例えば、農地法第4条第1項の許可申請を申請地の所有者本人が行って不許可となった場合、特定行政書士に審査請求を依頼することはできませんでした。
なぜなら、改正前は当初の許可申請書等を「行政書士が作成した」場合でないと、その後の審査請求の手続きを代理することはできないとされていたからです(改正前の行政書士法第1条の3第1項第2号)。
しかし、改正後は「行政書士が作成した」という文言が「行政書士が作成することができる」という文言に変更されたため、本人申請で不許可となった案件についても特定行政書士に審査請求を依頼することが可能となりました。
第一条の四 二
前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること。
非行政書士の業務制限
改正後、農地転用の許可申請書等の作成についてコンサル料等の名目で報酬を得ている業者は、行政書士法違反であることが明確になりました。
なぜなら、行政書士法第19条第1項に「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加されたからです。
第十九条
行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。
この改正によって、悪質なコンサル業者等の取締りが強化されます。
両罰規定
改正後は、「業務の制限」と「名称の使用制限」も両罰規定の対象となりました。
例えば、会社の従業員が行政書士法第19条第1項に違反して農地転用の許可申請書等を作成したり、行政書士法第19条の2第1項に違反して行政書士のふりをした場合、従業員だけでなく会社も罰せられることになります。
第二十三条の三
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十一条の二、第二十二条の四、第二十三条第二項又は前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
まとめ
- 2026年1月1日に施行された改正行政書士法により、農地転用の実務には3つの大きな変化が生じました。
- 第一に、特定行政書士の業務範囲が拡大し、本人申請で不許可となった案件でも審査請求の代理が可能になりました。
- 第二に、非行政書士の業務制限が明確化され、申請書等の作成についてコンサル料等の名目で報酬を得ていた業者の取締りが強化されます。
- 第三に、両罰規定が拡大され、従業員が行政書士法に違反して農地転用の許可申請書等の作成をした場合や行政書士を名乗った場合、従業員だけでなく会社も処罰されます。
茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県で農地転用を検討している方は、行政書士池田法務事務所にご相談ください。
農地関係専門の行政書士が親身になってサポートをいたします。
この記事を書いた人
特定行政書士 池田大地
専門分野:農地関係
所属行政書士会:茨城会
日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号
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