坂戸市の農地転用許可申請については、坂戸市のホームページに主要な情報が公開されています。
一方で、実際に体験してみないとわからないこともあります。
そこで今回は、筆者の実体験に基づく坂戸市における農地転用許可申請の流れについて解説します。
事前調査
対象地の現況
農地法上の農地でないと許可申請をしても却下になる恐れがあるので、最初に対象地の現況を調査します。
対象地の現況が農地法上の農地でないと思われる場合は、登記官の照会で地目変更を試みましょう。
※登記官の照会については、こちらを参照してください↓
農地転用の立地基準
農地転用の許可を得るためには、立地基準を満たす必要があります。
※農地転用の立地基準については、こちらを参照してください↓
立地基準は農地区分ごとに定められているため、農業委員会事務局に農地区分の照会をしなければなりません。
坂戸市の場合、専用の様式を用いて農地区分の照会をします。
※農地区分の照会票はこちら↓
農地転用の一般基準
農地転用の許可を得るためには、一般基準も満たす必要があります。
※農地転用の一般基準については、こちらを参照してください↓
一般基準を満たすためには、特に農地転用許可申請以外で必要となる手続き(開発許可申請、土地改良区の地区除外申請等)を調査して、漏れがないようにしておくことが大切です。
事前相談
坂戸市の場合、相談票一式を坂戸市農業委員会事務局に持参して事前相談を行います。
※相談票一式を郵送して事前相談することは不可です。
事前相談は任意ですが、重大な問題を見落としたまま許可申請をすると後で困るため、実施することをお勧めします。
相談票一式を提出してから回答があるまで3週間程度かかると公表されてますが、相談票一式を提出してから回答があるまで2か月程度かかることもあるので早めに事前相談することをお勧めします。
※坂戸市農業委員会事務局は、坂戸市役所の2階にあります。
必要書類の作成・収集
坂戸市の場合、必要書類の一覧表を公開しているので、それに基づいて必要書類の作成・収集を行います。
※必要書類の一覧表はこちら↓
農地法第4条第1項の規定による許可申請書 – 坂戸市ホームページ
農地法第5条第1項の規定による許可申請書 – 坂戸市ホームページ
坂戸市の特徴的な添付書類は以下のとおりです。
- 本人確認書類
申請書の押印を省略する場合は、本人確認書類(免許証やマイナンバーカード等)の提示又は写しを提出する必要があります。 - 名寄帳の写し等の資産証明書
申請地以外に適当な土地を所有していないことを証明するために必要となります。
※必要書類の集め方については、こちらの記事を参考にしてください↓
許可申請
原則毎月10日までに許可申請書4通と添付書類各2通を坂戸市農業委員会事務局に持参します。
※坂戸市の場合、郵送申請は不可です。
職員がその場で書類のチェックをして、不備がある場合は補正期限内に補正します。
現地調査・農業委員会の総会
総会前に農業委員が現地調査を実施しますが、坂戸市の場合は申請者の参加は不要とされています。
現地調査後、毎月下旬に実施される農業委員会の総会で、申請内容が審議されます。
埼玉県の審査
坂戸市は農地転用の許可権限を有していないため、農業委員会の総会後、許可申請書等が川越農林振興センターに進達されます。
※坂戸市における転用面積が4ヘクタール以下の農地転用については、埼玉県知事(川越農林振興センター)が許可権者です。
許可書の受領
許可の場合は、通常許可申請をした月の翌月の中旬に許可書の交付準備が整います。
原則坂戸市農業委員会事務局に出向いて許可書を受け取りますが、申請者(代理人)が遠方に在住している等やむを得ない理由がある場合は郵送でも可となります。
申請時に許可書の郵送可否について相談し、郵送可の場合は返送用封筒を許可申請書等と一緒に職員に渡しましょう。
まとめ
坂戸市の農地転用許可申請について、筆者の実体験に基づく流れは以下のとおりです。
- 現況確認:農地法上の農地でない可能性があれば、登記官の照会を検討する。
- 立地基準の確認:農地区分は坂戸市の照会票で農業委員会事務局に照会する。
- 一般基準の確認:特に必要となる他法令の手続について漏れがないようにすることが大切。
- 事前相談(推奨):相談票一式を坂戸市農業委員会事務局に持参して相談する(郵送不可)。
- 必要書類の作成・収集:坂戸市の一覧表に従う。特徴的な添付書類として①本人確認書類(押印省略時)、②名寄帳の写し等の資産証明書がある。
- 許可申請:原則毎月10日までに申請書4通+添付書類各2通を坂戸市農業委員会事務局に持参する(郵送不可)。
- 現地調査・総会:農業委員が総会前に現地調査(申請者の参加は不要)をして、その後農業委員会の総会で審議。
- 県に進達:総会後、許可申請書等を川越農林振興センターに進達する。
- 許可書交付・受領:通常申請した月の翌月中旬に許可書の交付準備が整うので、原則坂戸市農業委員会事務局に出向いて許可書を受領する。
埼玉県坂戸市で農地転用を検討されている方は、行政書士池田法務事務所にご相談ください。
農地関係専門の行政書士が親身になってサポートをいたします。
この記事を書いた人
特定行政書士 池田大地
専門分野:農地関係
所属行政書士会:茨城会
日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号
※お問い合わせはこちらから↓





コメント