「系統用蓄電池」の設置を目的にした「農地転用」について

農地転用関係

最近、「農地に蓄電池を設置したい」とのご相談を受けることが多くなりました。

太陽光発電所の規制強化に伴い系統用蓄電池に注目が集まっています。

そこで今回は、系統用蓄電池の設置を目的にした農地転用について解説します。

系統用蓄電池とは

系統用蓄電池とは、電力の送配電網(電力系統)に接続される大型の蓄電池です。

電力価格の安い時間帯に充電をして、電力価格が高くなる時間帯に売電すること等で利益を得ることができます。

系統用蓄電池を設置するために必要となる農地法上の手続き

系統用蓄電池を設置するために必要となる農地法上の手続きは、都市計画法の区域区分によって異なります。

対象地が市街化区域にある場合は、農地転用の届出が必要です。

※農地転用の届出については、こちらを参照して下さい↓

対象地が市街化区域以外(市街化調整区域、非線引き区域、都市計画区域外)にある場合は、農地転用の許可申請が必要です。

※農地転用の許可申請については、こちらを参照して下さい↓

農地転用の許可申請(届出)をする際の注意点

農地転用の許可申請(届出)をする際に注意してほしいことは、以下の3つです。

対象地の現況

対象地の現況が山林化、原野化している場合、農地転用の許可申請(届出)をしても農地法上の農地でないとの理由で却下(不受理)になる可能性があります。

そのため、対象地の現況が農地法上の農地でないと思われる場合は、まず非農地証明を取得することができるか農業委員会事務局に相談してみましょう。

※非農地証明については、こちらを参照して下さい↓

対象地の農地区分

農地転用の許可申請が必要となる場合、農地転用の立地基準を満たす必要があります。

立地基準は農地区分ごとに設定されており、第2種農地か第3種農地でないと系統用蓄電池を設置することはできません。

※農地転用の立地基準(農地区分)については、こちらを参照して下さい↓

関係法令の手続き

農地転用の許可申請が必要となる場合、農地転用の一般基準も満たす必要があります。

一般基準の審査では、関係法令の手続き(例えば、地域計画の変更、消防法に基づく届出、都市計画法に基づく開発許可等)について実施状況をチェックされます。

農地転用の許可申請前に必要となる関係法令の手続きを整理しておくことが大切です。

※農地転用の一般基準については、こちらを参照して下さい↓

系統用蓄電池を収納する専用コンテナは建築物か?

系統用蓄電池を収納する専用コンテナが建築物に該当するか否かは、開発許可や建築確認の要否に影響するため重要です。

判断の基準については、国土交通省が通知を発出しています。内容は以下のとおりです。

土地に自立して設置する蓄電池を収納する専用コンテナのうち、蓄電池その他蓄電池としての機能を果たすため必要となる設備及びそれらの設備を設置するための空間その他の蓄電池としての機能を果たすため必要となる最小限の空間のみを内部に有し、稼働時は無人で、機器の重大な障害発生時等を除いて内部に人が立ち入らないものについては、法第2条第1号に規定する貯蔵槽その他これらに類する施設として、建築物に該当しないものとする。
ただし、複数積み重ねる場合にあっては、貯蔵槽その他これらに類する施設ではなく、建築物に該当するものとして取り扱うこととする。

引用:「蓄電池を収納する専用コンテナに係る建築基準法の取扱いについて(技術的助言)」(平成25年3月29日付け国住指第4846号)

系統用蓄電池が第一種特定工作物に該当する場合

系統用蓄電池が第一種特定工作物に該当するか否かは、開発許可の要否に影響を与えます。

国土交通省が発出した「系統用蓄電池の開発許可制度上の取扱いについて(技術的助言)令和7年4月8日付け国都計第7号」を要約すると、以下のいずれかに該当する場合は第一種特定工作物になります。

  1. 電気事業法の小売電気事業に該当して、かつ都市計画法施行令第1条第1項第3号に規定する危険物を含有するもの
  2. 電気事業法の特定卸供給事業に該当して、かつ都市計画法施行令第1条第1項第3号に規定する危険物を含有するもの
  3. 電気事業法に該当しない場合で、かつ都市計画法施行令第1条第1項第3号に規定する危険物を含有するもの

まとめ

  • 系統用蓄電池を農地に設置するためには、農地法に基づく手続が必要です。
    • 市街化区域では、届出
    • 市街化調整区域、非線引き区域、都市計画区域外では、許可申請
  • 対象地の現況が山林化・原野化している場合には、非農地証明の取得で済むこともあります。
  • 許可の対象となるのは第2種農地・第3種農地です。
  • 関係法令(消防法・都市計画法等)の手続き状況は、許可審査の重要項目となります。
  • 系統用蓄電池が建築物・第一種特定工作物に該当するか否かは、開発許可や建築確認の要否に影響を与えるため、原則国土交通省の通知に基づいて慎重に判断しましょう。

茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県で系統用蓄電池の設置を目的にした農地転用を検討されている方は、行政書士池田法務事務所にご相談下さい。

農地関係専門の行政書士が親身になってサポートを致します。

この記事を書いた人

特定行政書士 池田大地

専門分野:農地関係

所属行政書士会:茨城会

日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号

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