農地法第3条の許可申請では、申請者(農地等の権利を取得しようとする個人)だけでなくその世帯員等の事情も審査対象となります。
そのため、農地法の世帯員等について理解することは大切です。
そこで今回は、農地法の世帯員等についてわかりやすく解説します。
農地法の世帯員等とは
農地法の世帯員等とは、「住居及び生計を一にする親族と当該親族の行う耕作又は養畜の事業に従事するその他の二親等内の親族」(農地法第2条第2項)です。
2 この法律で「世帯員等」とは、住居及び生計を一にする親族(次に掲げる事由により一時的に住居又は生計を異にしている親族を含む。)並びに当該親族の行う耕作又は養畜の事業に従事するその他の二親等内の親族をいう。
一 疾病又は負傷による療養
二 就学
三 公選による公職への就任
四 その他農林水産省令で定める事由引用:農地法第2条第2項
住居及び生計を一にする親族
住居及び生計を一にする親族とは、「申請者(農地等の権利を取得しようとする個人)と同じ場所に住み、生活費などを共通する資金でまかなっている親族」を意味します。
例えば、息子と同居している親です。
なお、住居及び生計を一にする親族には、病気や就学等のため一時的に住居又は生計を異にしている親族も含まれます。
当該親族の行う耕作又は養畜の事業に従事するその他の二親等内の親族
当該親族の行う耕作又は養畜の事業に従事するその他の二親等内の親族とは、「申請者(農地等の権利を取得しようとする個人)と住居及び生計を一にする親族の行う耕作又は養畜の事業に従事するその他の二親等内の親族」を意味します。
例えば、申請者(農地等の権利を取得しようとする個人)と住居及び生計を一にする親の行う耕作の事業に従事する、別居している申請者(農地等の権利を取得しようとする個人)の兄です。
なお、「その他の二親等内の親族」であるか否かは、申請者(農地等の権利を取得しようとする個人)を基準にして判断します。
農地法の世帯員等が影響を与える農地法第3条の主な許可要件
農地法の世帯員等が影響を与える農地法第3条の主な許可要件としては、全部効率利用要件と農作業常時従事要件があります。以下で詳しく解説します。
※農地法第3条の許可要件についてはこちらも参照して下さい↓
全部効率利用要件
全部効率利用要件とは、「農地及び採草放牧地の全てを効率的に利用して耕作等の事業を行うと認められること」を意味します。
一 所有権、地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を取得しようとする者又はその世帯員等の耕作又は養畜の事業に必要な機械の所有の状況、農作業に従事する者の数等からみて、これらの者がその取得後において耕作又は養畜の事業に供すべき農地及び採草放牧地の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められない場合
引用:農地法第3条第2項第1号
例えば、実家暮らしの息子が新規就農をするために農地法第3条の許可申請をする場合、住居及び生計を一にする親が所有する農地の状況も審査対象となるため、親が所有している農地を無断で資材置き場等にしている場合(無断転用)や無断で誰かに貸している場合(ヤミ耕作)は、全部効率利用要件を満たさないことになります。
※無断転用についてはこちらの記事を参照して下さい↓
※ヤミ耕作についてはこちらの記事を参照して下さい↓
農作業常時従事要件
農作業常時従事要件とは、「農地等の権利を取得しようとする個人又はその世帯員等が原則、年間150日以上農作業に従事すること」を意味します。
四 第一号に掲げる権利を取得しようとする者(農地所有適格法人を除く。)又はその世帯員等がその取得後において行う耕作又は養畜の事業に必要な農作業に常時従事すると認められない場合
引用:農地法第3条第2項第4号
例えば、サラリーマンのAが兼業で農業をしたいが単独で年間150日以上農作業に従事することができない場合は、住居及び生計を一にする親のBに協力してもらいBが年間150日以上農作業に従事すれば農作業常時従事要件を満たします。
まとめ
1.世帯員等の定義(農地法第2条第2項)
①住居および生計を一にする親族
- 申請者(農地等の権利を取得しようとする個人)と同居・生計を共にする親族
- 療養・就学・公職就任等で一時的に別居している場合でも含まれる
②当該親族の行う耕作・養畜に従事する二親等内の親族
- 申請者(農地等の権利を取得しようとする個人)と住居・生計を一にする親族の行う農業に従事する、別居の祖父母・兄弟姉妹など
2.世帯員等が影響を与える主な許可要件(農地法第3条)
①全部効率利用要件
- 世帯員等が所有・利用する農地の状況も審査対象
- 世帯員等が無断転用やヤミ耕作をしている場合、この要件を満たさない
②農作業常時従事要件
- 申請者(農地等の権利を取得しようとする個人)又はその世帯員等が原則年間150日以上農作業に従事すればよい
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この記事を書いた人
特定行政書士 池田大地
専門分野:農地関係
所属行政書士会:茨城会
日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号
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