外国人の方から「法人を設立して農地を購入し、農業をしたい」との相談を受けることがあります。
農地を農地のまま売買するためには、農地法第3条の許可が必要となりますが、農地法第3条の許可要件として役員の国籍が日本であることは求められていないので、外国人が設立した法人でも農地を取得することは可能です。
今回は、外国人が法人を設立して農地を取得するための手続きについて解説します。
購入する農地を決める
まず、購入する農地を決めます。
例えば、茨城県内、千葉県内等の範囲を決めて、そこを商圏にしている不動産業者に相談します。
なお、売りに出されている農地の中には、実は他人に貸している状態の農地や境界に疑義がある農地等が含まれていることがあります。購入予定の農地については、不動産業者の言葉を鵜呑みにすることなく購入予定者が現地を見に行ったり、農業委員会事務局に問い合わせたりして状況を確認しておくことが大切です。
農業法人の設立
購入する農地が決まったら、農業法人の設立をします。
よく採用される法人形態は株式会社、合同会社です。
社会的信用性を重視するなら株式会社、設立コストを抑えたいなら合同会社の形態を採用するのがお勧めです。
※農業法人を設立するための手続きについてはこちらを参照して下さい↓
農業法人を設立したら土地の売買について合意書や条件付きの売買契約書を作成して、合意の締結や売買契約の締結をします。
農地法第3条の許可申請
農地の売買について話がまとまったら、いよいよ農地法第3条の許可申請をします。
※農地法第3条の許可申請については、こちらを参照して下さい↓
法人が農地を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 農地の全てを効率的に利用すること(全部効率利用)
- 周辺の農地利用に支障を及ぼさないこと(地域との調和)
- 農地所有適格法人の要件を満たすこと
※農地所有適格法人の要件については、こちらを参照して下さい↓
外国人の方が法人を設立して農業へ参入する場合、よく問題になるのは全部効率利用の要件です。
なぜなら、役員となる外国人の方は、農業経営に必要な技術と経験を欠いていることが多いからです。
この技術と経験をどの様に補填するかが許可を得るためのポイントになります。
この点については、農業経験者を雇用することが最適です。農業経験者を農場長等に起用することで、不足している農業経営に必要な技術と経験を補うことができます。
許可後の注意点
無事に農地法第3条の許可が下りたとしても気を抜いてはいけません。
なぜなら、「農地所有適格法人に対して法第3条第1項の許可をするに当たっては、同条第5項の規定に基づき、農地等の権利の取得後においてその耕作又は養畜の事業に供すべき農地等を正当な理由なく効率的に利用していないと認める場合は許可を取り消す旨の条件を付けるものとする。」(農地法関係事務に係る処理基準について)とされているからです。
許可を得た農地では、必ず申請内容に沿った営農をするようにして下さい。
なお、毎年、事業の状況等を農業委員会へ報告する(毎事業年度の終了後3か月以内)義務がある点にも注意が必要です(農地法第6条第1項)。
まとめ
外国人が日本で法人を設立し、農地を取得して農業を行う場合、農地法第3条の許可が必要です。この許可は外国人が設立した法人でも取得可能です。手続きは以下の流れで進みます。
- 農地の選定
購入する農地を決定します。不動産業者に相談する際、貸出中の農地や境界に問題がある農地もあるため、購入予定地の現地確認や農業委員会事務局への問い合わせが重要です。 - 農業法人の設立
農地の選定後、株式会社や合同会社などの法人を設立します。信頼性重視なら株式会社、コスト優先なら合同会社が適しています。 - 農地法第3条の許可申請
法人設立後、農地法第3条の許可申請を行います。許可要件の一つである「全部効率利用」には技術・経験が求められるため、農業経験者の雇用が許可取得の鍵となります。 - 許可後の注意点
農地法第3条の許可後、申請内容に沿った営農をしない場合は許可を取り消される可能性があるので注意して下さい。
茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県で農業への参入を検討している外国人の方は、行政書士池田法務事務所にご相談下さい。
農地関係専門の行政書士が親身になってサポートを致します。
この記事を書いた人
特定行政書士 池田大地
専門分野:農地関係
所属行政書士会:茨城会
日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号
※お問い合わせはこちらから↓





コメント