農地を保護するために、農地転用は必要最小限の面積だけ認められています。
そのため、申請地の面積が必要以上に大きい時は、通常、分筆をしてから農地転用の申請をすることになります。
しかし、分筆した後に農地転用の申請をする場合、時間と費用がかかるため「農地の一部転用」を検討する方がいらっしゃいます。
農地の一部転用は、後々にトラブルを生じさせることが多いので、時間と費用をかけても分筆後に農地転用することをお勧めします。
今回は、農地の一部転用について詳しく解説します。
農地の一部転用とは
農地の一部転用とは、1筆の農地を一部分だけ転用することを指します。
例えば、1000㎡の農地を500㎡だけ宅地として利用したい場合等です。
農地の一部転用は、分筆登記の時間・費用を節約したいと考える方が一度は思いつく方法です。
農地の一部転用は認められる?
農地の一部転用は、許可を受けたい一部分を明示すれば、許可を受けることが可能となります。
とは言え、大雑把な面積の明示ではダメです。
なぜなら、分筆登記の申請をする際に添付する「地積測量図」の面積と相違が生じて、登記することができないからです。
したがって、農地の一部転用申請をする際に「地積測量図」を用意する必要があります。
農地の一部転用をした場合のデメリット
農地の一部転用で許可を受けた場合、許可証に記載された農地の表示と登記記録に記録された農地の表示が異なることになります。
登記官は、形式的審査権しか有しないため、許可証に記載された農地と登記記録に記録された農地の同一性を確認することができません。
そのため、せっかく一部転用の許可を受けたのにこのままでは登記することができないのです。
同一性を証明するためには、別途証明手続きをしなければならず、さらに時間と手間がかかります。
分筆後に農地転用の申請をするのがベスト
一見すると農地の一部転用は便利な手法だと思われますが、上記したデメリットがあります。
また、農地転用の申請時に地積測量図の添付が必須となりますが、この地積測量図が完成しているなら分筆登記完了までさほど時間を要しません。
したがって、分筆をしてから農地転用の申請をすることがベストです。
まとめ
- 農地の一部転用は認められていますが、正確な面積を地積測量図で明示する必要があります。
- また、許可を受けた後、登記記録と許可証の不一致が問題となり、追加手続きと時間を要します。
- 農地の一部転用は時間と費用を節約できる方法と思われがちですが、トラブルの原因となる可能性が高いため、分筆後に転用することがお勧めです。
茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県で農地転用を検討されている方は、農地関係専門の当事務所にご相談下さい。
農地関係専門の行政書士が親身になってサポートを致します。
この記事を書いた人
特定行政書士 池田大地
専門分野:農地関係
所属行政書士会:茨城会
日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号
お問い合せはこちらから↓
コメント