いらない農地を相続したくないので、相続放棄を検討する方は多いと思います。
しかし、相続放棄にはデメリットもあるので安易に相続放棄を選択するのは得策ではありません。相続してから処分した方が良い場合もあります。
そこで今回は、農地の相続放棄について解説します。
農地の相続放棄
相続放棄とは
相続放棄とは、読んで字のごとく相続を放棄することです。
相続放棄をすると、初めから相続人とならなかったことになります。
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
相続放棄をする方法
相続放棄は家庭裁判所に対して申述します。
第九百三十八条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
この申述は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」(民法915条)という期間の制限があり、期間内に相続放棄の申述をしないと「単純承認したものとみなされる」(民法921条第1項第2号)ので注意が必要です。
※具体的な相続放棄の手続きについては、こちらを参照して下さい↓
相続放棄をした場合のデメリット
相続放棄をした場合は、農地の固定資産税の支払いから解放されるメリットがあります。
一方で、以下のデメリットもあります。
農地以外の財産も相続できない
相続放棄をすると初めから相続人とならなかったことになるため、農地以外に相続したい財産があってもそれを相続することはできません。
相続放棄してもすぐに農地を放置することはできない
相続放棄をしても相続人又は相続財産の清算人に引き渡すまでは、その農地を管理する義務があります。
第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。
相続放棄の撤回はできない
相続放棄をすると、期間内であっても撤回することができません(民法第919条第1項)。
ですから相続財産の農地についてよく調べずに相続放棄した後、実は利用価値の高い農地であり相続したいと心変わりしても相続放棄を撤回することはできません。
農地を相続した後の活用方法
相続放棄には上記したデメリットがあるため、安易に相続放棄をしない方が良いです。
農地を相続した後でも有効活用することはできます。
主な活用方法は以下のとおりです。
農地転用をする
相続した農地が農地として保護する必要性が低い農地(白地の第2種農地、第3種農地等)の場合は、農地転用を検討しましょう。
駐車場、太陽光発電所、資材置き場等として利用したい人がいれば、高値での売却が期待できます。
※農地を相続した後の農地転用についてはこちらを参照して下さい↓
農地のまま売却する
相続した農地が農地として保護する必要性が高い農地(青地、第1種農地等)の場合は、農地転用が困難なので、農地のまま売却を検討します。
農地のまま売却するためには農地法第3条の許可が必要です。
※農地法第3条の許可についてはこちらを参照して下さい↓
相続した農地の活用が難しい場合
取り敢えず農地を相続して、相続後に農地転用や農地のまま売却することができるか調べたところ、どちらも難しい場合があります。
このような場合は相続土地国庫帰属制度の利用を検討しましょう。
相続土地国庫帰属制度の利用には費用がかかりますが、承認されれば固定資産税の支払いと農地の管理義務から解放されるため、利用する価値はあると思われます。
※相続土地国庫帰属制度については、こちらを参照して下さい↓
まとめ
- 相続放棄をすると、固定資産税の支払い義務がなくなるメリットがあります。
- しかし、農地以外の財産も相続できない、相続人や清算人に引き渡すまで農地の管理義務が残る、相続放棄の撤回ができない等のデメリットもあります。
- 相続後に処分(農地転用、農地のまま売却)した方が良い場合もあるため、安易に相続放棄せずに相続後の処分も検討すべきです。
- 相続した農地の活用が難しい場合は、相続土地国庫帰属制度の利用を検討しましょう。
茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県の農地について処分を検討されている方は、弊所にご相談下さい。
農地関係専門の行政書士が親身になってサポートを致します。
この記事を書いた人
特定行政書士 池田大地
専門分野:農地関係
所属行政書士会:茨城会
日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号
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