農地転用許可後の計画変更~計画変更申請以外の対応方法について解説します~

農地転用関係

「太陽光発電所を目的にした農地転用の許可を得たけれど当初の工事期間内に工事が終わらず農業委員会から催促を受けています。どうしたら良いですか?」とのご相談を受けることがあります。

形式的に考えれば、当初の事業計画に変更が生じているため、計画変更の申請をする必要があります。

しかし、申請には時間と費用がかかるため、軽微な変更の場合にも計画変更の申請をすることは不経済です。

そこで、今回は農地転用許可後の計画変更について、計画変更申請以外の対応方法を解説します。

農地転用許可後の計画変更申請とは

農地転用許可後の計画変更申請とは、農地転用許可を受けた後、当初の事業計画に変更が生じた場合の手続きです。

例えば、茨城県だと下記の場合に計画変更申請が必要とされています。

(1)計画者(許可を受けた転用事業者)が、許可を受けた転用事業内容の一部又は全部について変更する場合

(2)当初計画者が法第5条の許可を受けた転用に係る事業計画の中止、又は不能により他の者が当該計画に係る土地の一部又は全部を承継して転用事案を実施する場合

なお、当初の許可より10 年経過しない事業計画を該当させます。ただし、農地が4ヘクタールを超 える事業計画については、10 年経過しても該当します。

(3)一時転用の許可を受けた事業期間内に目的が完了しない場合で許可期間を超えて事業を行うとき。

(4)(2)に係る事項については、当初の事業計画に係る土地が、計画変更承認の時点において、農地又は採草放牧地と認められるものに対して、当初の許可より 10 年未経過に関わらず、法第5条の許可申請手続きが必要となります。

nouchi-tebiki.pdf (pref.ibaraki.jp)

事業者が変更になる場合等、計画の根本が変更となる場合に計画変更の申請をすることについて異論はありません。

しかし、軽微な変更についてまで一律計画変更の申請が必要とされては、時間や手間が必要以上にかかるため、不経済です。

この点、私の経験上、軽微な変更であれば、農地転用許可後の計画変更申請以外でも対応できる方法がありますので、以下で解説します。

※農地転用許可後の計画変更申請についてはこちらを参照して下さい↓

工事の進捗状況報告書を利用する方法

農地転用許可後の計画変更申請以外で計画変更を行う方法として、工事の進捗状況報告書を利用する方法があります。

例えば、当初は許可日から2か月以内に完工予定の工事を依頼していた会社が倒産した場合、新たな業者を手配するために時間が必要となり、工事期間が予定より長くなる場合があります。

完工するまでに3か月以上かかる場合は、許可日から3か月経過した時点で工事の進捗状況を報告書に記載して農業委員会へ提出しなければなりません。

その報告書に事情を記載して農業委員会事務局の理解を得ることができれば、計画変更の申請まではせずに済むことがあります。

工事の完了報告書を利用する方法

農地転用許可後の計画変更申請以外で対応する方法として、工事の完了報告書を利用する方法があります。

例えば、太陽光発電所の建設工事を予定通り許可日から3か月以内に完了したものの、完成した発電所のパネル枚数が当初の予定より数枚足りない場合があります。 

この場合、完了報告書に事情を記載して、農業委員会事務局の理解を得ることができれば、土地利用計画図や見積書等変更点に関係する書類の差し替えをするだけで済むことがあります。

まとめ

  • 農地転用許可を受けても、当初の事業計画が変更となった場合、原則として計画変更の申請が必要となる。
  • 軽微な変更の場合にも計画変更申請をするのは不経済であるため、工事の進捗状況報告書や工事の完了報告書を活用し、事情を説明して農業委員会事務局の理解を得る方法もある。

茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県で農地転用許可後の計画変更を検討されている方は、農地関係専門の弊所にご相談下さい。

農地関係専門の行政書士が親身になってサポートを致します。

この記事を書いた人

特定行政書士 池田大地

専門分野:農地関係

所属行政書士会:茨城会

日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号

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