宅地分譲を目的にした農地転用は、転用後の建築が不確実で、土地の遊休化を招く恐れがあるため禁止されていました。
しかし、現在では、一定の要件を満たすことで宅地分譲を目的にした農地転用も認められています。
今回は、宅地分譲を目的にした農地転用の要件についてわかりやすく解説します。
宅地分譲とは
宅地分譲とは、不動産業者等が住宅を建てるための造成だけを行い、その更地(宅地)を購入希望者に販売することを言います。
宅地分譲を目的にした農地転用が認められると次の様なメリットがあります。
- 宅地購入者が選択できる建築業者の選択肢が広がり、購入者の希望する住宅設計等がしやすくなる。
- 建物が未完成の状態で土地の引き渡しと地目変更が可能になるため、土地を担保に供しやすくなる。
宅地分譲を目的にした農地転用の要件①~許可前の要件~
宅地分譲を目的にした農地転用は、通常の立地基準と一般基準を満たした上で、さらに許可前に以下の要件を満たす必要があります。
- 転用事業者と土地購入者が建築条件付土地売買契約を締結し、契約後一定期間内(概ね3か月以内)に転用事業者または同事業者が指定する建設業者と土地所有者が建築請負契約を締結すること約束すること。
- 転用事業者または同事業者が指定する建設業者と土地所有者が一定期間内に建築請負契約を締結しなかった場合には、その土地の売買契約が解除されることを当事者間の契約書に規定しておくこと。
- 転用事業者は、転用をしたすべての区画の土地を販売することができなかった場合、販売できなかった残余の土地に自ら住宅を建設すること。
宅地分譲を目的にした農地転用の要件②~許可後の要件~
宅地分譲を目的にした農地転用は、許可後にも満たす必要のある要件があります。
- 工事(住宅の建設工事を含む)が完了するまでの間、許可の日から3か月後及び1年ごとに工事の進捗状況を報告するとともに、工事が完了したときは遅滞なくその旨を報告すること
- 転用事業者から土地購入者への土地の引渡しは、住宅が建築されたことが確認できた後または土地の造成後に建築確認が行われた後に行うこと
宅地分譲を目的にした農地転用の手続きを行政書士に依頼するメリット
宅地分譲を目的にした農地転用の手続きでは、通常の添付書類に加えて
- 住宅建築請負会社との請負契約書
- 販売条件の詳細が記載されている契約書のひな形
等が求められます。
しかし、これらの書類を一から作成するのは、大変な労力を要します。
この点、行政書士は「権利義務に関する書類」の作成及び相談を業として行うことができるため、これらの作成をサポートすることができます。
まとめ
- 宅地分譲を目的とした農地転用をするには、許可前の要件と許可後の要件があります。
- 許可前の要件には、建築条件付土地売買契約と建築請負契約を締結する約束が含まれます。
- 許可後の要件には、工事進捗状況の報告と土地引渡しのタイミングが含まれます。
おわりに
茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県の農地で宅地分譲を検討されている方は、当事務所にご相談下さい。
農地関係専門の行政書士が親身になってサポート致します。
この記事を書いた人
特定行政書士 池田大地
専門分野:農地関係
所属行政書士会:茨城会
日本行政書士会連合会 登録番号:第22110205号
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