耕作目的で農地の遺贈を受ける場合に農地法第3条の許可が必要か否かは、遺贈の種類によって異なります。
今回は、農地の遺贈と農地法第3条の許可についてわかりやすく解説します。
遺贈とは
遺贈とは、遺言によって、法定相続人又は法定相続人以外の者に遺産の全部又は一部を無償で譲渡することです(民法第964条)。
遺贈には、包括遺贈と特定遺贈があります。
包括遺贈とは、遺産の全部又は遺産の一定割合を遺贈することです。
例えば、「長男Aに遺産の2分の1を遺贈する」と遺言書に記載されている場合等です。
特定遺贈とは、与える遺産を特定して遺贈することです。
例えば、「次男Bに農地Cを遺贈する」と遺言書に記載されている場合等です。
農地の遺贈と農地法第3条の許可
農地の遺贈に農地法第3条の許可が必要となるか否かは、遺贈の種類によって異なります。
表にまとめると以下のとおりです。
| 包括遺贈 | 特定遺贈 | |
| 農地法第3条の許可 | 不要 ※届出は必要 | ①法定相続人以外に対する 特定遺贈の場合:必要 ②法定相続人に対する 特定遺贈の場合:不要 ※届出は必要 |
包括遺贈と法定相続人に対する特定遺贈の場合は、農地法第3条の許可が不要となります(農地法施行規則第15条第1項第5号)。
もっとも、農地についての権利を取得したことを知った時点からおおむね10か月以内に農業委員会への届出が義務付けられています。
※届出については、こちらの記事を参照してください↓

一方、法定相続人以外の者に対する特定遺贈の場合は、農地法第3条の許可が必要となります。
この場合は、農地法第3条の許可要件を満たさないと農地を取得できないので、注意が必要です。
※農地法第3条の許可については、こちらの記事を参照してください↓

遺贈の対象となる農地の現況
法定相続人以外の者に対する農地の遺贈では農地法第3条の許可が必要となりますが、対象地の現況が農地法上の農地ではない場合もあります。
例えば、登記簿上の地目は畑ですが、現況は山林化、原野化している場合です。
このような場合は、農地法第3条の許可申請をするために農地への復元が必要となります。
しかし、時間と労力をかけて農地に復元してまで耕作しようとは思わない方が多いのも事実です。
そこで、対象地の現況が非農地化している場合は、非農地証明を取得し、登記簿上の地目を農地以外にした後で、名義変更(所有権移転登記)することをお勧めします。
※非農地証明については、こちらの記事を参照してください↓

まとめ
- 遺贈は、遺言に基づいて、法定相続人又はそれ以外の人に無償で遺産の全部又は一部を譲る行為です。
- 遺贈には包括遺贈(遺産の全部又は一定割合を遺贈)と特定遺贈(特定の財産を遺贈)があります。
- 法定相続人以外の者に対する農地の特定遺贈(耕作目的)は、農地法第3条の許可が必要となります。
- 対象地の現況が非農地である場合は、非農地証明の取得によって地目変更をし、その後名義変更(所有権移転登記)する方法もあります。
茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県の農地に関する遺贈でお困りの方は、農地関係専門の行政書士池田法務事務所にご相談ください。
農地関係専門の行政書士が親身になってサポートをいたします。
この記事を書いた人
行政書士池田法務事務所
所長 特定行政書士 池田 大地
専門分野:農地関係
所属:茨城県行政書士会
登録番号:第22110205号(日本行政書士会連合会)
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