農地を住宅や駐車場等に転用する工事において、盛土等をすることがあります。
一定規模以上の盛土等については、農地転用の許可以外に盛土規制法の許可も必要になることがあるため注意が必要です。
今回は、農地転用の許可と盛土規制法の許可についてわかりやすく解説します。
農地転用の許可とは
農地転用の許可とは、市街化区域以外(市街化調整区域、非線引き区域、都市計画区域外)の農地を転用する際に必要となる許可です。
農地転用の許可を得るためには、立地基準と一般基準を満たす必要があります。
※農地転用の立地基準については、こちらの記事を参照してください↓

※農地転用の一般基準については、こちらの記事を参照してください↓

盛土規制法の許可を得られなかった又は許可を得られる見込みがない場合は、申請目的実現の確実性がない(農地転用の一般基準を満たしていない)として、農地転用の許可が下りません。
盛土規制法の許可とは
盛土規制法の許可とは、規制区域内(宅地造成等工事規制区域内又は特定盛土等規制区域内)で一定規模以上の盛土等を行う際に必要となる許可です。
無許可で一定規模以上の盛土等をした場合は、最大3年以下の拘禁刑又は1千万円以下の罰金(法人には最大3億円以下の罰金)を科される恐れがあります。
農地転用で盛土規制法の許可が必要となる場合
盛土規制法の許可が必要となる場合は、以下のとおりです。

出典:盛土規制法 事業者用パンフレット 国土交通省・農林水産省・林野庁
農地転用の実務でよく目にするケースは上記⑤です。
例えば、駐車場に転用したい農地(2,000㎡)が隣接する道路より低くなっており敷地全体に50㎝程度の盛土をする場合です。
農地転用で盛土規制法の許可申請が不要となる場合
農地転用で盛土規制法の許可申請が不要となる場合は、主に以下の3つです。
開発許可を受けた工事
開発許可を受けた場合は、盛土規制法の許可を受けたものとみなされるため、盛土規制法の許可申請をする必要はありません。
なぜなら、開発許可の手続きで盛土等の安全性について審査されており、再度盛土規制法の手続きで盛土等の安全性を審査する意義が乏しいからです。
ただし、盛土規制法の許可後の手続き(標識の掲示、中間検査等)は免除されないため、注意してください。
一定規模以下の工事
盛土・切土や土石の堆積をする前と後で地盤面の標高の差が30cm以下の場合は、許可申請が不要となります。
例えば、農地を資材置き場に転用する工事で、敷地全体に数cmの砕石を敷く場合です。
工事の施行に付随して行われる土石の堆積
工事の施行に付随して行われる土石の堆積であって、当該工事に使用する土石又は当該工事で発生した土石を当該工事の現場又はその付近に堆積する場合は、許可申請が不要となります。
例えば、3,000㎡の農地全体に30cm以下の盛土をするため、使用する土を一時的に敷地内の一角に堆積しておく場合です。
なお、工事の施行に付随して行われる土石の堆積に該当するか否かの判断が難しいケースもあるため、事前に役所の担当窓口へ相談することをお勧めします。
まとめ
- 市街化区域以外の農地を転用する場合は、原則として農地転用の許可が必要です。
- 規制区域内で一定規模以上の盛土等を行う場合は、盛土規制法の許可も必要となることがあります。
- 盛土規制法の許可を取得できなかった又は取得見込みがない場合は、農地転用の一般基準(申請目的実現の確実性)を満たさず、農地転用の許可が下りません。
- 農地転用で盛土規制法の許可が必要となる典型例として、道路より低い農地を駐車場等にするため一定規模以上の盛土を行うケースがあります。
- 開発許可を受けた工事、一定規模以下の工事、工事の施行に付随して行われる土石の堆積については、原則として盛土規制法の許可申請は不要です。
茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、福島県で農地転用の許可申請や盛土規制法の許可申請を検討している方は、行政書士池田法務事務所にご相談ください。
農地関係専門の行政書士が親身になってサポートをいたします。
この記事を書いた人
行政書士池田法務事務所
所長 特定行政書士 池田 大地
専門分野:農地関係
所属:茨城県行政書士会
登録番号:第22110205号(日本行政書士会連合会)
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